世界標準語といわれて久しい英語ですが、学ぶのに悪戦苦闘している日本人はまだまだ多いようです。ここではPlain Englishという手法を取り上げ、Effective Communication(効果的なコミュニケーション)の道案内をすることが狙いです。辞典ではわからない英語の概念を知ることができます。
本コンテンツでは、Plain Englishを長年提唱しているケリー伊藤氏による著書をもとに、そのエッセンスを紹介します。
先ずは、Plain Englishのルーツからスタートします。
1978年3月23日、当時の米国大統領Jimmy Carterは、以下の内容を含む大統領命令(Executive Order)に署名しました。
Federal officials must see to it that each regulation is written in plain English and understandable to those who must comply with it.
(連邦職員は、あらゆる規約が、それに関与する者が理解できるように、Plain Englishで書かれるよう配慮すること)
これが、米国における行政府による成文化されたPlain English運動の始まりといえるものです。これによって役人や弁護士も、自分たちだけしか理解できないような"legalese(法律言葉)"や "officialese(官僚言葉)"で一般市民を煙に巻くことが許されなくなりました。
このような動きの出発点となったのは米国の言語学者で、1950年代頃から米国における悪文の氾濫を憂い、簡潔明瞭な文を提唱していったのです。
日本人の英語学習者には、とかく難しい単語や構文を使うと格調高い文ができると思っている人が多いですが、これは大きな勘違いとも言えます。
コミュニケーションの道具としての英語は、誰もが苦労なく文の言わんとすることを理解できることが最も大切です。"Clarity comes first" です。そして、そのためにできるだけ無駄を省いた文が名文なのです。
ループの専属スタッフであり、ボストン在住の日本人翻訳者の英訳はクライアントから好評ですが、その訳調はPlain Englishの概念とどこか重なる部分があります。米国在住30年近くの英語力には疑いの余地はありませんが、それだけはない何かを持っているのです。
(以上、一部「プレイン・イングリッシュのすすめ」ケリー伊藤〈著〉から引用)
