前回(昨日)の記事の続き②~④です。
英文契約書は英米法的な慣習を踏んで、一般に recital (表示部) または premises (前文) と呼ばれる「前文」から始まります。
前文を構成する諸要素には以下の通りです。
①契約書の名称
②契約の締結日と締結地
③契約の当事者の名前と住所
④Whereas clause
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②契約の締結日と締結地
契約の締結年月日(date of execution)は、それが2社間の契約であれば双方の当事者代表が署名した日となります。例えば、一方当事者が先に署名し、それを他方当事者へ郵送あるいは持参してその署名を取り付ける場合は、遅れて署名した日が締結日となります。
締結日は必ずしも発効日となるわけではありません。例えば、(法的な問題の無い限り)すでに契約内容の履行が始まっている場合には、書類上の締結日を遡及することもありますし、合意の上で日付けを先に延ばすこともあり得ます。弊社で手掛ける翻訳の契約書原稿には日付の入っていない状態のものが大半ですが、なかには過去の日付に遡って明記されているものも実際にありました。
③契約の当事者の名前と住所
法人の場合は、「住所」に当たるその主となる営業所、つまり登記してある本社の所在地となります。法人格を持たない支店が当事者として契約書に見られることがありますが、署名する代表者が代表権を持っていないか、契約締結の委任を会社から受けていないと、問題が起きた時にややこしい事態に陥ります。
④Whereas clause
契約の締結に至る事情の説明で、"Whereas" という語で始まるパラグラフを指します。
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◆約因(consideration)について
本記事で取り上げている契約書「前文」の終わり、つまり第1条が始まる前に以下のような表現がよく登場します。
"Now, therefore, in consideration of the mutual convenants and ・・・"
この"in consideration of" は「・・・を約因として」と訳され、「~を考慮して」とは違っていると解釈されます。これは、英米法的な表現であり、"consideration" が契約の成立において重要な要素であることに由来します。
一方で、この「約因」という表現を全く使わず、以下のような表現にしている契約書もあります。
"Now, therefore, the parties hereto do hereby agree as follows : "
(よって、本契約の両当事者は本書をもって以下のとおり合意する)
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次回はその(↑)「約因」について触れてみたいと思います。
