チェスは素晴らしい世界語: 2008年9月アーカイブ

「決断力」羽生善治.jpg「決断力」

著者:羽生善治(将棋棋士)

 

この本を知っている人は多いと思います。私は3年程前に購入して読んでいました。

これを最近引っ張り出して、身近に置いています。それは、今年に入ってからチェスにのめり込むようになったからです。これまで私には生涯の趣味と言えるようなものがなかなか見つかりませんでしたが、今チェスとの出会いに確かな手ごたえのようなものを感じています。チェスは世界の国々で老若男女を問わずプレーされているということもあり、歴史や文化・芸術と深くかかわっています。そんなところに魅力を感じますし、自分の世界に没頭できる趣味としてチェスはぴったりはまりました。

チェスも将棋も頭脳で勝負する世界という意味では同じです。3年経った今、改めてこの本に目を通すことで、初めて読んだ当時とはまた違った観点でより多く得るものがあると思っています。

著者の羽生氏は私と同じ1970年生まれということで、もともと親近感がありました。加えて、2008年7月15日に放映されたNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」で取り上げられたライバル森下棋士との名人戦の模様は、非常に心打たれるものがありました。この番組はDVDに録画し、保存版にしてあります。将棋を知らない私ですが、「人間の頭脳を駆使する」という点で非常に面白い内容です。

実は羽生氏がこの本の中で一部チェスにも触れているので紹介します。

「私はチェスも指すが、将棋とチェスには共通する部分は結構ある。読みと大局観によって成り立っている点はまったく同じだ。違うところは、結果に至るプロセスだ。将棋は最初は静かだが、最後は駒をたくさん捨てて、非常に激しくなる。一方、チェスは逆で、最初は非常に激しいが、最後は駒がどんどん少なくなるので静かに終わる。だから、似ているようでまったく違う。」

私がこれを理解するにはしばらく時間がかかりそうですが、チェスも将棋もルーツをたどれば起源は同じなので、そういった意味では興味深い言葉です。

 

この本を通して「勝つ頭脳」にスポットを当てていきます。また記事にできそうなことがあれば、紹介したいと思います。

チェスセット

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今日は番外編として、私が日頃から使用しているチェスセットを紹介します。
これが(↓)私が初めて購入し、現在愛用しているものです。

 

IMG_4331_1.JPG

 

チェスセットを購入しようと思った時点では、なんの前知識もない状態でしたが、自分なりに調べ、結局大きめのサイズにしました。(チェス盤1マスの幅が5cmあります)
大きめのサイズにした理由は、使う楽しみが増し愛着がよりわくだろうと考えたこと、そしてインテリアとして目で楽しむこともできるのではと思ったことにあります。各ピース(駒)は手作りのようで、同じピースどうしでも若干彫り具合が異なっていたりしますが、芸術性が感じられます。決して安価なものではありませんでしたが、選択してよかったと思っています。

このチェスセットを使って、ほぼ毎日時間のある時に過去の棋譜を横目に盤上で駒を動かしています。先人たちの名勝負に思いを馳せながら、盤上で駒を動かしていくひと時は私にとって贅沢な時間でもあります。

 

チェスセットとしては、別に持ち運び可能なコンパクトなものも持っています。
「トラベルチェスセット」と呼ばれるものです。(↓)

トラベルチェスセット.jpg
 
トラベルチェスセット(収納).jpg     
これは、チェス盤1マスの幅が3cmと大分小さいサイズです。(だから「トラベル(=持ち運びに便利)」という呼び名が付いているわけですが)
このピース(駒)の底部はマグネット式になっており、チェス盤上に磁石でくっつくようになっているのが面白いです。ただ、あくまでもコンパクトな作りですから、ピース自体の芸術性という意味ではイマイチという感があります。
個人的には、このトラベルチェスセットに関しては、チェス盤のデザインの方が気に入っています。

 

トラベルチェスセット(折りたたみ).jpgのサムネール画像また、このチェスセットは折りたたみ式になっているのですが(⇒)、折りたたんだ時の手に持った感じはナカナカ良いです。
これで、例えばビジネスバッグにすっぽり入ってしまうサイズなので、自宅を離れている時でもチェスを楽しみたいという人にはうってつけだと思います。

 

 

 
チェスには、芸術・文化・歴史といった言葉が見事にマッチングします。
ですから、自分で使うチェスセットは、自らそこに歴史を刻んでいきたいと思えるようなモノを選びたいものです。(その芸術性ゆえに、今後他のチェスセットにも目移りしてしまいそうですが)

実は、いつかロンドンのチェス専門店でいろいろ品定めをしてみたいと思っています。

 

9月3日付けInternational Herald Tribune(英字新聞)の紙面2で大々的にチェストッププレーヤーの記事が掲載されました。

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私が日経新聞と合わせてこのInternational Herald Tribuneも購読していることは、この「世界のチェス事情」コーナーの初回記事でお知らせしましたが、紙面2でこれほど(↑)大きく取り上げられるのは相当なことだと思います。

この記事の主役は、ノルウェーの首都オスロの郊外に住むMagnus Carlsen君。現在17歳。その若さで現在のチェス界における世界トッププレーヤーの一人に挙げられており、その将来性にも注目を集めているようです。

つい先日(9月13日)までスペインのビルバオ(Bilbao;スペイン北部Biscay湾にのぞむ市)で開催されていた"The Grand Slam Chess Final Masters" 出場時点では世界ランキング6位。

BILBAO 2008.jpg
この大会でMagnus Carlsenが優勝すれば、世界ランキング1位に躍り出ると言われていましたが、結果2位に終わりました。(それでも凄い!)

The Grand Slam Chess Final Masters では、トッププレーヤー6人が総当たり戦2ラウンド方式で競います。賞金は、World Chess Championships(今年は10月14日からドイツのボンで開催)に次ぐ額とされ、"one of the strongest in the history of the game" とされています。チェスの大会としては非常に注目度が高いわけです。

さて、Magnus Carlsen君の記事の話に戻りますが、彼はいわゆる「オタク」の部類に入るような印象を受けます。学校から帰宅すると、一人自分の部屋のパソコンに向かい、チャットを楽しんだりオンライン・チェスに没頭するとのこと。記事によれば、そのオンライン対戦でチェスの腕を磨いてきたようです。

現在の世界チャンピオンであり、先述のThe Grand Slam Chess Final Masters にも参加していたインドのViswanathan Anandは、将来の世界チャンピンにMagnus Carlsenを挙げており、前世界チャンピオンであるロシアのGarry Kasparov(ガルリ・カスパロフ:昨日の記事で紹介した本の著者です)でさえも同じことを言っています。この若きノルウェー人のプレースタイルや冷静さには並はずれたものがあるとのこと。

Magnus Carlsenがチェスを始めたのは8歳だったそうですが、彼は戦術的に複雑なポジションを好んでとってきたようです。自分が好む状況を作り出していく一方で、それが対戦相手の勢いを封じ込めていくような展開になっていく。つまり、メンタル的にもタフと言えるようです。

このInternational Herald Tribuneの記事には、他にもあの伝説的な米国人チャンピオンのBobby Fischer(ボビー・フィッシャー)が出てきたり、Magnus Carlsenの人物像を語る父親が登場したりと、非常に面白みのある内容です。

私もチェスファンの一人として、今後のMagnus Carlsenの活躍を追ってみたくなりました。

次回は、先述の大会 "The Grand Slam Chess Final Masters" で実際に繰り広げられたMagnus Carlsenの対戦を取り上げたコラムを紹介したいと思います。


 

チェス世界王者.jpg「決定力を鍛える~チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣」
著者:ガルリ・カスパロフ(Garry Kasparov)

 

私は今この本を読んでいます。 

著者は史上最強と謳われるロシアのチェスプレーヤー。1985年に22歳で史上最年少世界チャンピオンになり、15年間タイトルを保持した。まさにチェス史に残る名プレーヤー。2005年に現役を引退した同氏がプロ時代を振り返り、チェスで得た教訓、知恵を伝授する内容となっています。

同氏は本書で世界チャンピオン戦をはじめとする自身の対局を臨場感たっぷりに語り、歴代の名手たちや彼らの明暗を分けた対局を解説しています。

ビジネス書としてではなく、チェスの歴史を紐解く書物として手に入れた私にとっては、これまで手に入れてきたチェスに関する書籍にはない手ごたえを感じています。

私のようにチェスの世界に足を踏み入れて間もない者でも、同氏のチャンピオン戦における名勝負を自分のチェス盤上で再現して、あれこれ頭をひねらせてみることはなかなか味わいがあります。

 

 

 

チェスに関する海外のサイトでは、来る10月14日から11月2日までドイツのBonn(ボン)で開催される 今年のWorld Chess Championshipがすでに取り上げられています。

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去年の前回大会同様、インドのViswanathan Anand(38)とロシアのVladimir Kramnik(33)が対戦し、基本的に12ゲームで勝敗を決します。去年はインドのViswanathan Anandが勝利をおさめていますが、対するロシアのVladimir Kramnikも傑出した世界の超一流プレーヤーで、他の過去3回のworld championship対戦では負け知らず。
この勝負に世界中のチェスファンが注目しており、まだまだ初心者である私でさえも、非常に楽しみにしています。
(下の画像は、去年9月Mexico City(メキシコ市)で開催された時の同氏による対戦模様です。)

今ではインターネット上であらゆる情報が飛び交っているので、まだまだ日本ではメジャーでないチェスについても英語さえわかればいろいろ情報収集が可能です。毎日の楽しみの一つになっています。

チェスの技量はまだまだ赤ん坊の域にある私でも、世界のトッププレーヤー達が今どこでどんな勝負を繰り広げているのかを知ることで、刺激を得られます。

(下の画像は、去年9月Mexico City(メキシコ市)で開催された時の同氏による対戦模様です。)

 

kram-anand.jpg 

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