論文翻訳のチェックポイント(医学編): 2008年10月アーカイブ

 

範囲・寸法を表す
名詞の前の修飾語として寸法を表すときにハイフンを使います。名詞の前の修飾語として用いない場合と2つの表現を見比べてみましょう。翻訳においてこの使い分けは大切なポイントですが、ハイフンを使いこなすには経験が必要です。注意が必要なのは、本文では範囲を表すのにハイフンを使わないようにしましょう。

修飾語として用いる場合の例文

  1. in a 10-to 14-day period
  2. a 3 x 4-cm strip
  3. a 5- to 10-mg dose
  4. in a 5-, 10-, or 15-mg dose
  5. a 3-cm-diameter tube

修飾語として用いない場合の例文(上記例文対象となっています)
  1. 10 to 14-days' duration
  2. a trip measuring 3 x 4 cm
  3. a dose of 5 to 10 mg
  4. a dose of 5, 10, or 15
  5. a tube 3 cm in diameter

最初に「本文では範囲を表すのにハイフンを使わない」といいましたが、もちろん例外もあります。
本文中でハイフンを使ってよい内容
  • 会計年度
  • 学年度
  • 寿命
  • 研究機関
  • カッコ中の範囲


ハイフンを使わない用語
(1)接頭辞
ante-, anti-, bi-, co-, contra-, counter-, de-, extra-, infra-, inter-, intra-, micro-, mid-, neo-, non-, over-, pre-, post-, pro-, pseudo-, re-, semi-, sub-, super-, supra-, trans-, tri-, ultra-, un-, under-がつくものは基本的にハイフンを使いません。

但し、読みにくくなる可能性のあるものや不適切な綴りを避ける必要がある場合はハイフンを用います。例えば、co-op, co-payment, co-twin, intra-aorticなど。また、接頭辞anti-, neo-, pre-, mid-などの後ろにくる語が固有名詞あるいは数時の場合はハイフンを使います。

更に、midは、in the middle [of]という意味で切り離された語なので、このような意味で用いる場合はthe mid finger, hte mid Atlanticというようにハイフンを使わずに表現します。

(2)接尾辞
-hood, -less, -like, -wiseなどがつくものは基本的にハイフンを使いません。

(3)組み合わさった単語
一つの単位として一般に広く読まれ一般的な用語として使われるようになったものは、ハイフンをつかわずそのまま表現します。
birth control methods, public health officials, medical school students, social service agency, primary care shysician, lower extremity amputation, health care system, amino acid levels, low back pain, soft tissue mass, open heart surgery

(4)-lyで終わる副詞の後ろ
副詞は自身の後ろにくる名詞ではなく形容詞を修飾するので-lyで終わる副詞の後ろにはハイフンは使いません。
the clearly stated purpose, a highly developed species

(5)形容詞として用いられる化学化合物の名称
sodium chloride solution, tannic acid test

(6)地理的な固有形容詞
Central Americans, African American, Pacific Rim countries, Far Eastern customs, the Southeast Asia, Mexican America, Latin Americans

(7)ラテン語、非英語圏の語句
an a priori argument, per diem employees, prima facie evidence, postmortem examination, an ex offcio member, antebellum South, in vivo specimens, carcinoma in situ

(8)文字・数字が第2の要素である修飾語
grade A eggs, study 1 protocol, type 1 diabetes

(9)特殊な複合語
T wave, T sqare, T tube, B cell soft tissue mass
但し、誤解や不適切さをさけるためにハイフンを付けるものもあります。
T-shirt, B-cell helper Mann-Whitney U Test

複合語の職名
職務が組み合わさった職位はハイフンでつなぎますが、複合語の名称はハイフンではつなぎません。
secretary-treasurer, acting secretary, honorary chair

以上、ハイフンについていろいろなケースをあげましたが、ハイフンを付ける付けない用語については、最新版の雑誌(ジャーナル)の指針を確認するようにしてください。

 

 

 

ハイフン①でも述べたように、ハイフンは英語文章の中でたびたび使われるものですが、わかっている部分もあれば曖昧な部分もあるので、使ったり使わなかったり、人によっても変わる部分です。しかし、公式な論文翻訳においてはその使い方をしっかりと把握しておけば無駄のない文章を作ることができますし、また翻訳内容をチェックするのにも楽になります。

明瞭な文章にするためにハイフンを使用
誤解を生むような語、曖昧な表現になりそうな場合はハイフンを用います。
例えば以下の例文を見てください。ハイフンを付けるのと付けないとでは意味が異なります。

a small-bowel constriction(小腸の狭窄)
a small bowel constriction(腸の軽度の狭窄)

an old-car salesperson(中古車のセールスマン)
an old car salesperson(年老いた車のセールスマン)

man-eating plants(人食い植物)
man eating plants(植物を食べている人)

ハイフンでつなげないと意味が異なってしまうときは、接頭辞の後ろにハイフンを付けます。
re-treat, re-creation, re-formationなどがありますが、「retreatment」等に関してはハイフンは使わないようにします。retreatmentは語そのものが一つの単語として確立しており曖昧さがないのでハイフンは使いません。

ハイフンを使う用語としては、同じ母音を持つ2語、同じ子音を持つ3語など同じ文字の連続した組み合わせにならないように、接頭辞の後ろあるいは接尾辞の前で使われます。
semi-independent, hull-less, ultra-atomic, de-emphasize, intra-abdominal, bell-like
但し、例外があるので雑誌(ジャーナル)の最新の指針を確認してください。

接尾辞、接頭辞を含む複合修飾句の場合、曖昧な表現となるのを避けるためにハイフンを使うことがあります。
non-self-governing, non-group-specific blood, non-brain-injured subjects, manic-depressive-like-symptoms, non-English-language journals

 

 

 

日本語ではあまりハイフンを使って単語をつなげるということはしませんが、英語においてはハイフンは単語、接頭辞、接尾辞をつなぐ役目をするためたびたび使われます。従って、翻訳の上でもハイフンの使い方を把握しておかなければなりません。ハイフンの使い方をしっかりと身につけておくと、翻訳における文章の意味を明確に表現することができます。

次のような文をハイフンでつなぐとどのように表現できるか見てみましょう。

通常の英語の例文    

  1. methods of decision making      
  2. The work was the least read in the collection.
  3. The anastomosis was end to end. 
  4. Values were upper class.
  5. The suture material was low quality.
  6. The resolution was low density.
  7. ratio of albumin to globulin
  8. the test of Binet and Simon

ハイフンでつなげたときはどうなるでしょう?上記の番号対象になっています。
  1. decision-making methods
  2. least-read work in the collection
  3. end-to-end anastomosis
  4. upper-class values
  5. low-quality suture material
  6. low-density resolution
  7. albumin-globulin ratio
  8. the Binet-Simon Test
例文:No. 1,2
名詞の前にきて、名詞や副詞と一緒になって形容詞の働きをする分詞を含む複合語をハイフンにつなぎます。

例文:No.3
複合形容詞句は修飾する名詞の前にくるが後ろにこないときは複合形容詞句をハイフンでつなぎます。

例文:No.4-6
形容名詞複合句が別の名詞の前にきて、その名詞を修飾するが名詞の後ろにはこないとき、形容名詞複合句をハイフンでつなぎます。

例文:No.7,8
修飾する名詞の前にくるが、その後ろにこない場合、独立した修飾語として等位的に用いられる二つの名詞を組み合わせるのにハイフンを使います。

その他にも以下のような場合には単語と単語の間にハイフンを使います。論文翻訳においては必ず使われる部分ですので、例文を参照しながら確認してください。

  1. middle-, high-, low-のつく形容複合語
  2. 単数名詞として用いられる同等地位の二つの名詞
    (player-manager, author-critic, soldier-statesman, physician-poet)
  3. 前置詞を含む複合名詞
    (tie-in, tie-up, go-between, hand-me-down, locker-on)
  4. 最初の要素が数時である複合語がその修飾する名詞の前にくる場合
    (18-factor blood chemistry analysis, 2-way street, ninth-grade reading level, 1-cm increments)
  5. 名詞の前にくるか述語形容詞として後ろにくるかして等位的、あるいは相反する語として用いられる二つ以上の形容詞
    (the false-positive test results, false-positive, double-blind study, double-blind)
  6. 二つの要素が同じ重要性を持つ色に関する言葉
    (blue-gray eyes, blue-black lesions)
  7. 名詞の前にきても後ろにきても続く接頭辞のall-, self-, ex-で作られた複合語
    (self-assured salesperson, all-powerful ruler, self-respect, ex-husband)。
    但し、viceについてはつける場合とつけない場合があるので、公式な文章については雑誌(ジャーナル)の指針に従ってください。
  8. 接尾辞 -type, -elect, -designateからなる複合語
    (Hodgkn-type lymphoma, Valsalva-type maneuver, chair-elect, secretary-designate)
  9. 形容詞のcross- 
    (cross-country race, cross-city competition, cross-eyed cat)
    但し、crossbred, crosshatched, crossmatched, cross sectionはどはハイフンを使いません。使ってよいもの使わない方がよいものは最新の雑誌(ジャーナル)の指針を確認したほうがよいでしょう。
  10. 形容複合語とquasi
    (quasi-legislative group, quasi-diplomatic efforts)
  11. 固有名詞、大文字の語、数字、略語の前にくる接頭辞
    (anti-American demonstration, pro-Isreali forces, pre-AIDS era, pseudo-Christian, post-1945 clothing)
  12. 21から99までの複合数字、基数、序数を文の始めに文字で表現するとき
    (Thirty-six patients were examined.)
  13. 形容詞として用いられる分数
    (A two-thirds majority was needed.)
    但し、名詞として用いられている文字表記された共通分数はハイフンを使わない
    (Three fourths of the questionnaires were returned.)
  14. 二つ以上のハイフンでつないだ複合語が共通の語幹を持っているときは、最後の一つを除き、その語幹は省く。
    (first-, second-, and third-grade students, 10-, and 15-year-old boys,)
    一つの語として表されるハイフンでつないでない複合語の場合は、語幹は繰り返す。
    (Videocassettes and videodiscs were used in the presentation.)

 

 

 

コロンは日本語にも良くつかわれますが、英語の論文においては、思考の明確な小休止や中断を強く表し、二つの主節を分離する役目を持っています。すなわち、二つ目の節が一つ目の節を強調するための役割を持っているということです。英語の翻訳においてどのように使われるべきか例文などをあげてご説明しましょう。

例文1
We begin with a single tenet: all men are created equal.

コロンを使わない方が良い文章

  • 動詞(to beを含む)などを目的語や主格の述語名詞から切り離すためにコロンは使うべきではありません。例えば、The point is: do not insert.....という表現は好ましくありません。
  • becuaseやincludeの後ろにコロンをつけてはいけません。
引用あるいは列挙を導く
  • 公式の文章、長い引用を導入する場合はコロンを使用します。特に、引用符を使う場合は、最初の語を大文字にすることに留意してください。
例文⇒ XXX, Dr, chair of the committee, summarized:"The problems we face in developing a new vaccine are numerous."

  • thus, as follows, the followingのような先行句の後で列挙する場合にはコロンが有効です。
例文⇒ The solution inluded  the following: aaa, bbb, and ccc.

  • 二つ以上の文法上独立した文章がコロンの後に続く場合は、ピリオドで区切られた完全な文として扱われます。最初の語は大文字、小文字どちらでも有効です。
例文⇒ The following rules apply to manuscript preparation: (1) AAA. (2) BBB. (3) CCC.(4) DDD. (5) EEE.

数を表現するためのコロン
  • 聖書の章・節・数 Genesis 3:28
  • 時を表現する時間と分 at 6:50 AM
  • 数字の比 in a 2:1.5 ratio
参考文献
すでに参考文献の章でご紹介していますが、参考文献では以下の部分でコロンを用います。
  • タイトルとサブタイトルの間
  • 雑誌に関しては巻とページ数の間


論文において長く複雑な項目を列挙する場合や独立した節を分離するときなどにセミコロンはよく使用されます。日本語ではあまり使われませんが、日本語から英語に翻訳される場合にはその使い方を知っておく必要があります。

文が短い場合は、コンマで十分ですが、主節が長く、等位接続詞(and, but, or, nor, for, so, yet)や接続副詞(also, besides, furthermore, then, however, thus, hence, indeed, yet)でつながれており、節の一つが句読点を含む場合はセミコロンを使います。

独立節を分離する
接続語が使われていない文章で、重文の中の独立節を分離するのにセミコロンを用いますが、この場合はセミコロンよりピリオドを使って二つの文章にしたほうがすっきりすることが多いといえます。
セミコロンを使う場合の例文を見てみましょう。

英語の例文⇒ The conditions of 50% of the patients improved greatly; 5% of the patients withdrew from the study.

等位接続詞や接続副詞を使う場合

これらでつながれた主節の間で、その節の一つがその中に句読点を含むか、かなり長い場合はセミコロンを使います。

英語の例文⇒
  • The word normal is often used loosely; indeed, it is not easily defined.
  • The patient's fever had subsided; however, his condition was still critical.

列挙
長い列挙項目を表す場合にはセミコロンが有効です。

英語例文⇒
A number of questions remain unresolved: (1) whether beverages that ...; (2) whether such beverages can ......; and (3) whether their arrhythmogenic ....

句読点を含まない、単に同種類の語が列挙されている場合はコンマのほうが有効です。

セミコロンはコンマより思考を示すうえで確固とした区切りを表します。一般にセミコロンは二つの独立した節を分離するのに用いますから、基本的には頻繁に使用するものではなく、長い列挙項目がある場合に使用すると覚えておけばよいでしょう。




コンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)は文章における思考の区切りや終了を示したり、資料を区別したりするのに用いられることはいうまでもありませんが、それぞれ特別な用い方があり、論文翻訳の上でもきちんと把握しておいたほうが良いので本日からコンマ、セミコロン、コロンについてどのような場合にどの符号がふさわしいかをご紹介していきます。まずはコンマから始めましょう。

コンマは、セミコロンやコロンに比べて強制力はありませんが、使い過ぎるとせっかくの文章が読みづらくなったり違和感を相手に感じさせてしまいます。これは、日本語においても英語においても同じです。自然な区切りを身につけるためにはある程度一定のルールを学んでおく必要があります。

語の集まりを区切る

(1) Ifなどの従属節(制限、非制限)や長い導入副詞句の後にコンマを使うようにします。但し、導入句が短い場合はコンマは必要ありません。この辺りは慣れている方も多いでしょう。  

英語の例文⇒ 
  If the infection recures within 2 weeks, an additional course of antibiotics should be given.

(2) 非制限従属節(代名詞、関係代名詞)や非制限分詞句を切り離すために用います。

英語の例文⇒
  • Dr. Suzuki, who had been wating on hold for more than an hour, abonddoned all hope of having her questions answered.
  • The deligates, attaining consensus, passed the resolution.
(3) 同格語を切り離すために用います。この場合は同格語の前と後ろに付けます。

英語の例文⇒
  • Two colleagues, Taro Yamamoto and Tom Yamada, worked with me on this study.
  • The battered-child syndrome, a clinical condition in young children who have suffered serious physical abuse, is a frequent cause of permanent injury or even death.
同種類の語が並ぶ場合

(1) 日本語もそうですが、英語においても単に等位の同種類の3つ以上の語が並ぶ場合はコンマでその後を区切ります。並んだ語の最後の語の前にくる接続詞(and)の前にコンマを置きます。

英語の例文⇒
  • The physician, the nurse, and the family could not convince the patient to take his medication daily.
(2) 3つ以上の修飾語が並んだ文章の場合は、その修飾語が1つの語として見られるのでコンマは使用しません。

英語の例文⇒
Inner-city geriatric hemodialysis patients were studied.

(3) 但し、形容詞の順番を並べ方を変えるとコンマを使っても良い文章があります。これは、好みもありますし、テクニックの問題でもあります。翻訳においても慣れる必要があります。

英語の例文⇒
  • We designed a randomized, double-blind, placebo-controlled trail.
  • The MR image showed an undescended, high, "functioning" testis.
  • Recent large, multicenter clinical trails were analyzed.
注意が必要なのは、形容詞の一群の最後にある名詞をこの形容詞群が修飾する場合はコンマは使用してはいけません。また、二つ以下の修飾語が用いられる場合は、その修飾語と名詞が一つのものとして読まれる場合もコンマを使用していけません。

ie, eg, vizを切り離すためにコンマを使う
ie, eg, vizの正式名称はそれぞれ、ie (that is), eg (for example), viz (namely)となっていますが、これら正式名称を切り離すためにコンマを使います。

英語例文⇒
  • The most important tests, ie, the white blood cell and platelet count, were unduly delayed.
但し、従属節が続く場合は、その節の前にセミコロンを付けます。

英語例文⇒
  • Our own double-blind study compared continuous with cyclic estrogen treatment ; ie, estrogens for 4 weeks were compared with estrogens for 3 weeks followed by placebo for 1 week.
接続詞でつながれた節を分離する

(1) 等位接続詞(and, but, or, nor, for, so, yet)でつながれた主節はコンマで分離します。

英語例文⇒
Plasma lipid and lipoprotein concentrations were unchanged after low-intensity training, but high intensity training resulted in a reduction in triglyceride levels.

ここで注意が必要なのは、複合述部を結ぶために用いられる等位接続詞と、独立節の間で用いられる等位接続詞とを混同しないように翻訳します。

(2) yet, soおよび従属接続詞(while, where, since, after, whereas)で導かれた節の前にはコンマを付けます。

英語例文⇒
  • He did writing, performed careful research, and wrote thoughtful articles, yet he was denied tenure.
  • The samples were stored at -70℃, after the proteins had denatured.
  • I consulted the cardiology fellow, since the attending physician was not available.
(3) 節が短い文章はコンマを省略できます。

英語例文⇒ The test may be useful or it may be harmful.

挿入句を切り離す
文の継続性を中断する表現、例えば、therfore, moreover, on the other hand, of course, nevertheless, after all, consequently, howeverなどを使用する場合は、コンマを用います。

英語例文⇒ The real issue, after all, was how to fund the next study.

学位および肩書きを切り離す
学位、肩書き、JrやSrが人名の後ろに続くときは、コンマで切り離します。

例文⇒ Thomas Smith, Jr, MD, and XXXX

住所、所属先
住所、本文、所属先脚注の各構成要素を区切るのにコンマを使用します。住所の場合は、都市の前、州、国名の前後にコンマを用います。

例文⇒ ・・・・・・XX Asscoication, 1100 Vermont Ave NW, Washington, DC19998.

日付
年月日および同様な時間の記載は、July 25, 2008といったようにし、月と年だけの場合あコンマを使用しません。


数についてはどのような規約に基づいて表記するかジャーナルによって異なるかもしれません。SI規約に従う場合は、コンマではなくスペースで数字を区切ります。 245,000ではなく245 000となります。

測定単位
同じ次元の二つの単位の間にはコンマはつけません。
3 years 4 months old    や  3 lb 4 ozなど

配置
コンマは引用符の中、および参考文献を引用するときは上付き文字および脚注番号の前に置きます。

例文⇒
  • As a result of the "back-to-sleep campaigns,"  a call has been .....
  • These missed opportunities have been shown to occur druing office visits, 6-9 health ....

省略を占めす
文の意味が明らかであるときは、言葉の省略を示したり、繰り返しを避けたりするためにコンマが用いられます。

例文⇒ Three patients could not be studied: in 1, duration of treatment was too short; in 2, too long.

対話
直接対話または会話を導入する前にコンマを用います。

例文 ⇒ In the middle of the laboratory examination, a student asked, "Would it be okay to taka a break?"
本日からは文章の中で使用される様々な句読法についてのポイントや注意点をご紹介します。英語の論文おいては、コンマ、セミコロン、コロン一つとっても使 用しないほうがいい場合、使用したほうがよい場合と様々な条件がありますし、その他句読符について公式的な論文には使わないようが良いが書評や論説の場合 は使用してもかまわない場合など様々です。

翻訳においては、日本語から英語にする場合、どのように句読法を使い分けるか知っておくことが大切です。当たり前のことでも、まずは初心に戻って確認しておきましょう。

本日のテーマ、ピリオド、疑問符、感嘆符は文の終わりに示す句読符ですから、特に難しい点はありませんが、英語においては、どこにこれらの符を置くか、「配置」について知っておくことも大切なポイントです。

ピリオドの配置
ピリオドは最後の引用符および参考文献の引用文の番号(上付き文字)の前に置きます。

<英語の例文> 
  • The child is rated in 6 areas, such as "accepts responsibility" and "interacts appropriately with peers."
  • We followed the methods of Matsuda et al.5
ピリオドを用いない場合
これは雑誌(ジャーナル)によっても異なりますが、敬語、科学用語、略語のピリオドを省略する傾向があります。
Mike Hold, MD   E Coli      AMA

疑問符
疑問符は当然に疑問文を終えるときに使用されますが、特定のデータに対する疑問を表すために疑問符が使われます。
英語例文⇒ Catiline (108?-62 BCE) lived druing the time of XXX.

疑問符の配置
疑問符は、後の引用符の前、閉じかっこの前、あるいはその疑問符が引用されているデータの一部であるか、括弧で閉じられているときの後ろの角かっこの前に置きます。例文を見てみましょう。

<英語の例文>
  • The patient asked her physician of 30 years, "Why are you retiring, Doctor?"
  • The chapter on interpretation asks the question, "Can I be wrong?"
質問を含む平叙文においては、疑問文の最後に疑問符を置きます。
  • The investigators asked the question, "Have you ever injected drugs?" of every study subject.
このような文章で注意しなければならないのは、ついついコンマをつけたくなるということです。疑問符を使用する場合は、ピリオド、セミコロン、コンマなどを続けて使われることはありません。ですから、平叙文の中に疑問符をつけた文章がある場合でも続けてコンマはつけません。

感嘆符
感嘆符は公式文書でほとんど使われることはありませんが、書評や論説のような論文では感嘆符が使われています。

感嘆符の配置
強調したい資料を完結するとき、感嘆符は後の引用符、括弧、あるいは角カッコの中にきます。これは上記ですでに述べた疑問符と同様で、ピリオド、セミコロン、コンマなどを一緒に使用することはできません。
  • The frightened child cried, "Don't leave me here alone!"
数学表記―階乗を意味する感嘆符
数学の表記では、感嘆符は階乗を示すために用いられます。

5!=5 x 4 x 3 x 2 x 1



文法編最後は、引き続き主語と動詞についてです。翻訳作業においてもわかっていながらついつい間違ってしまう場合もあります。ネイティブも間違いやすい部分ですから注意が必要です。

集合名詞
集 合名詞とは、複数の人間、場所、あるいはものを指します。その集団が一つの単位として表現したい場合は単数形動詞を選びます。例えば、couple, percent, crew, memberなどです。しかし、ひとつの集団ではなく、個々に強調される場合は複数動詞が正しい用法です。集合名詞は簡単なようで実は微妙なところで難し い文法です。英語の例文を見てみましょう。

couple
単数形: The couple has a practice in rural Montana.
複数形: The couple are both family physicians.
複数形であげた英文の場合は、coupleを構成するのが二人の個人と考えるため、この場合は複数形をとります。

percent

単数形: Twenty percent of her time is spent on administration.
複数形: Ten percent of the staff work flexible hours.
この複数形の例文も、個々のスタッフメンバーからなると考えられるため複数形の形をとります。

複合主語(and, orでつながれている文)

<andでつながれた複合主語>
基本的に複数動詞になります。但し、以下のような場合は単数形を用います。
  • 二つの要素が一つの単位と考えられる場合: bread and butter, dialation and curettage
  • 同じ人: our friend and host
  • 同じもの: vocation and avocation

<orあるいはnorでつながれた複合主語>
要素が複数であれば複数動詞を使い、単数であれば単数動詞を使用します。一方が単数で他方が複数のときはその語に近い方の名詞と同じ動詞の形を選ぶとよいでしょう。
例文をみてください。
  • 両方複数: Neither staphylococci nor streptococci were ....
  • 両方単数: Neither a false-positive test nor a false-negative test is ....
  • 混合: Neither the hospital nor the physicians were...

主語の数の変化とその結果生じる主語と動詞の不一致
このような文章で間違いやすいのは、主語の数が変われば動詞も省略せずに動詞も合わせなければならないところです。
  • 間違った表現: Her tests were run and her chart updated.
  • 正しい表現: Her tests were run and her chart was updated.

主語および主格の述語名詞の数が異なるとき
主語および収穫の述語名詞の数が異なる場合は、動詞が単数か複数かを選ぶときは主語の数に合わせます。
  • 間違った表現:The most significant factor that affected the study results were interhospital variations in severity of illness.
  • 正しい表現: The most significant factor that affected the study results was interhospital variations in severity of illness.
  • シンプルでよりよい表現: Study results were most affected by interhospital variations in severity of illness.

Every/Many a
一つの語あるいは複数の語の前でevery あるいはmany a を用いるときは単数形動詞にします。

Many a clinician does not understand statistics.
となりますが、通常は Many clinicians do not understand statistics. としますね。

One of those
必ず複数形動詞を用います。

Dr. Suzuki is one of those researchers who prefer the library to the laboratory.

Number

  • the numberは単数形
  • a number of は複数形

<例文>

  • The number who responded was surprising.
    A number of
    respondents were verbose in their answeres.

不定代名詞
不定代名詞は量を表すときに使用しますが、集合名詞と同じ性質を持っています。

  • 単数形をとるもの:each, either, neither, one, no one, everyone, someone, anybody, nobody, somebody
  • 複数形をとるもの:several, few, both, many
  • 単数形か複数形どちらかをとるもの: some, any, none, all, most

単数形か複数形どちらかになる some, any, none, all, mostを使うときは、代名詞が単数の語を指す時は単数動詞、複数の語を指す場合は複数動詞を用います。

<例文>

  • Some of my time is ...
  • Some of his calculations are...
このように、論文のように明確に物事を示さなければならないような文章に仕上げるためには、翻訳する上でも文法をきちんと把握していることは大切です。また、翻訳後のチェックにも役立ちますので一通り目を通しておくといいと思います。
単数には単数、複数には複数の動詞と主語といったように、主語と動詞は一致していなければならいのは当然ですが、実はネイティブが論文を書いた場合でもこの単純な文法が守られていないこともあります。翻訳においては、もちろん間違ってはいけない部分ですので、様々なケースにおける適切な文章の書き方をご紹介しましょう。

間に現れる句
翻訳作業では意識的に注意する部分ですね。複数形の句が主語の後にくる場合でも、複数名詞は複数形の動詞を、単数名詞には単数形の動詞をとります。

英語の例文 ⇒ A review of all patients with grade 3 tumors was .......

注意すべき点は、間に現れる句がtogether with, as well as, along with, in addition toのような句で導かれる文章です。このような句を使う場合でも、主語が単数の場合は動詞も単数でかまいません。例文を見てみましょう。

英語例文
  • The editor, as well as the reviewers, believes that....
  • The patient, together with her physician and her family, makes....
  • Liver failure, in addition to massive hepatic enlargement and severe macrovesicular steatosis, was not....
単数形の誤用
名詞が複数形で非常に用いられるため複数形を単数名詞として用いることも多いことから、単数として用いなければならない語を複数形のまま使ってしまう場合が見られます。その代表的な用語が以下の単語です。

複数形   単数形
criteria   criterion
phenomena  phenomenon
memoranda  memorandum

上記のような用語は単数形は単数形、複数形は複数形としての区別をしなければなりません。

しかし、最も迷いやすい用語は、agenda, data, mediaなどです。

agenda
現在は単数として認められるようになっています。

data
ほぼ単数形として扱ってよいと思いますが、雑誌(ジャーナル)によっては、複数形をとるほうが望ましいというところもあります。
単数形の英語の場合 Very little data wasとなりますが、複数形の場合は、Very few data wereとなります。

media
この用語も集合名詞的な使用が認められてきていますが、まだ微妙なところもあるようです。例えば科学論文に使われる用語に「実験の培地」を示すときこの用語が使われますが、この場合は単数の場合はmedium、複数の場合はmediaとして用います。また、「通信メディア」という意味の場合も、雑誌(ジャーナル)にもよりますが、やはり単数形と複数形を区別するように指示しています。

複数形の誤用
複数形には往々にして動詞には-sの形がとられます。そのため、単数形のため動詞も単数として文章を作っても、間違って「これは複数形」ととらえられてしまう場合があります。以下のような用語がその例です。翻訳の上では、慣れしかないように思いますが。。。

measles, mumps, mathematics, genetics

カッコに入れる複数形
複数の可能性を示すためにカッコにいれて-sあるいは-esを表す場合があります。しかし、ほとんどの場合、この方法を避け、複数名詞にすることが望ましいとされています。これは、科学論文においては明確さを示すためでしょう。


動詞については大きくわけて能動・受動態、直接法、命令法、仮定法などの法、時制があります。翻訳の上ででは当然に把握しているところですが、もう一度再確認しておきましょう。

能動態、・受動態
論文においては、基本的に能動態で文章を作るほうが望ましいといわれています。論文においては明確な表現が求められるためです。

避けたほうがよい表現: Data were collected from 1000 patients by physicians.
望ましい表現: Physicians collected data from 1000 patients.

シンプルな文章ですが、受動態より能動態のほうがすっきり表現できることがわかります。

仮定法
動詞は直接法、命令法、仮定法に分けられますが、一番注意が必要なのはやはり仮定法です。

仮定法は、主に希望(I wish it were possible)、仮定(If I were to accept the position)、事実に反する状況(If I were younger)などを表現するのに用いられます。仮定法はかなり形式張った状況で現れ、過去形(were)や現在形(be)を伴います。

過去形の例文
If we were to begin treatment immediately, the patient's prognosis would be excellent.
現在形の例文
The patient insisted that she be treated immediately so that her prognosis would be excellent.

次に難しい点が、仮定法でも仮定ではなく実際の出来事が論じられている文章に用いられている場合があるということです。このあたりになると、判断が難しいので基本的に仮定法を使わず直接法で表現したほうが間違いがないと思います。

時制
学術文書で出版された論文を参照するとき、時制の選択をするのが難しい場合があります。

現在時制(現在形)
世間一般の真実、事実の陳述、真実であり続けるようなものについて表現する場合

現在分詞(have been)
知的重要性を持ち続けている最新の過去に出版された報告書について言及する場合

過去時制1(was, had, were, 動詞の過去形)
生物医学論文において、論文の中で論じられている研究成果について記述する場合
現在でも歴史的な価値があり、数か月から数年前に発表された論文について言及する場合(但しこの場合はいつ発表されたか日付を文章に加えます)

時制は、ひとつの文章の中で一貫していなければなりませんが、前後関係や判断によって決められるため、一つの論文の中で変わることがあります。また、過去時制と現在時制は現在の文脈に二つのものを入れるために同じ文で用いることもあるため、必ずこのようにするといった形式がありません。しかし、基本的には一貫性を保つことが必要です。

二重否定
一つの文章の中に二つの否定が入るため、肯定文のようにすんなり入ってこないので、文を読み直したりしなければならない場合もあるので、できれば論文には使用しないほうが良いでしょう。

分離不定詞
分離不定詞は、toと動詞の間に副詞などを入れることができない一つの語で、専門家の中には分離不定詞を避けるようにアドバイスする方もいます。禁止事項は緩和されてきているようですが。。。

短縮形
can't aren'tなどの短縮形は公式の文章では使わないようにしましょう。



代名詞についても論文翻訳の上で再確認しておきたい文法です。代名詞は名詞にとって代わることはいうまでもありませんが、名詞を代名詞に置き換えるときには、数及び性の両方において先行詞と一致しなければなりません。また、代名詞には人称代名詞や関係代名詞があるので、各代名詞についての注意点などを確認してみましょう。

先行詞を明確に
it、their、itsなどの代名詞の使い方には注意が必要です。代名詞にすることで文章の中にある先行詞がどちらを指しているかわからなくなるからです。また、先行詞が単数あるいは複数によって次にくる代名詞もそれに合わせなければなりません。

<先行詞が不明確な英語の例文>
避けたほうが良い表現: The authors unravel the process of gathering information about diethylstilbestrol and disseminating it.
【ここで代名詞のitを使ってしまいますと、itがinformation を指しているのかdiethylstilbestrol を指しているのか不明確になってしまいます。】

望ましい表現: The authors unravel the process of gathering and disseminating information about diethylstilbestrol.
【このようにすれば、information about diethylstilbestrolを明確に示すことができます。】

<先行詞が単数か複数かで決まる代名詞の例文>
避けたほうが良い表現: A survey was given to each medical student and their spouses.
【ここで、theirを使いますと先行詞のeach medical studentが単数なのに後にくる代名詞が複数になっているため一致していない文章になってしまいます。】

望ましい表現: A survey was given to the medical students and their spouses.
【こうすれば先行詞と一致しますね】

人称代名詞
人称代名詞の使い方は翻訳においても難しいところです。特に、人称代名詞が前置詞あるいはto be動詞の後ろに用いられるときによく問題が起こります。人称代名詞の主格や目的格の正しい使い方を例文で確認しておきましょう。

<例文1>
目的格 Give the award to whomever you prefer.
主格  Give the award to whoever will benefit most.

<例文2>
目的格 Whom did you consult?
主格 Who was the consultant on this case?

<例文3>
-self, -selvesで終わる人称代名詞を主語として用いてはいけません。
誤: Bill, Martha, and myself attended the lecture.
正: Bill, Martha, and I attended the lecture.

このほかにも、間違いやすいものに、it'sとitsがあります。どちらが代名詞かは明らかですが、タイプミスなども含めてチェックを怠らないようにしましょう。

関係代名詞
関係代名詞も翻訳を学ぶ上できちんと押さえておきたい文法です。関係代名詞は、従属節において前の名詞について述べるときに用いられます。ですから、論文では多く使用されます。まずは、関係代名詞のthatとwhichの意味合いを確認しましょう。

  • that : 文の意味に不可欠なものを表現するときに使用します。
  • which: 単により多くの情報を加えるために使用されるので、文の意味には不可欠ではないものを表現するときに使用します。which節の前にはコンマを必ず付けます。
that や whichを使った例文をあげるのは非常に難しいので(どちらを使っても間違いではなく、どのように文章を印象ずけたいかにもよるため)ここではあげませんが、whichは文の流れを作りやすいのに対し、that.は一つの文章を簡潔で正確に述べる場合に適しているといえます。あいまいな文章、全体的なことについての説明はwhichが使われることが多いといえます。


 
名詞は文章の主語や目的語となるので、かなり多くの部分に占める割合も多くなりますが、英語の文章では名詞は修飾語として用いられるため、使いすぎると明確さを損なう可能性もあります。

ただ、文法上では厳格さというよりは、より洗練された使い方を学ぶと読んで気持ちの良い文章を作ることができます。これは、翻訳の上で非常に大切な部分であり、また翻訳を生業とするものにとって表現力の引出しをたくさんもっているかどうかの力量を問われる部分でもあります。

修飾語としての名詞(名詞列)

以下の名詞をどのようにすれば洗練された論文形式の表現になるのか例を見てみましょう。

                              (望ましい表現)
(1) diabetes patient(糖尿病患者)⇒             ・patient with diabetes
                                                                 ・diabetic patient

(2) depression episode (うつ病の発現)⇒   ・episode of depression
                                                                 ・depressive episode

(3) elderly over-the-counter drug users⇒    ・elderly users of over-the-counter drugs
    (市販薬の高齢の利用者)

科学系や技術的な論文では、名詞が複数集まったものが多く、論文の専門書によっては、文章を明確にするため複数の多音節修飾語を使用しないように助言しているものがあります。しかし、これらの分野では、複数の名詞=名詞列がある場合でもコミュニケーションが不明確になるということはあまりないように思われます。たとえば、以下のような名詞列は一つの名詞として認められます。翻訳する上であいまいになる可能性がある場合は、ハイフンを付加します。

  • community hospital program
  • physician provider organization
  • risk factor surveillance system
  • base line CD4 cell counts
  • sudden infant death syndrome
  • nicotine replacement program
  • placebo pain medication
  • proficiency testing program
  • very low birth weight
  • randomized clinical trial

修飾動名詞
動名詞は名詞として用いられる-ingで終わる動詞の形ですが、動名詞の前に名詞あるいは代名詞がある場合には、名詞あるいは代名詞は所有格(アポストロフィー)を取ります。

英語の例文⇒The toxicity of the drug was not involved in the patient's dying so suddenly.

形容詞的に用いられる現在分詞を動名詞と混同しないようにします。以下の英語の例文にある目的各のthemは適切です。

英語の例文⇒I watched them gathering in the auditorium.

時間・通貨に関係する場合
時間あるいは通貨に関係する名詞を所有形容詞として用いるときも所有格を取るようにします。所有格を取る場合の表現と取らない場合の表現の例をあげてみましょう。

<時間の英語の例文>
所有格を取る場合⇒ After 2 months' therapy, the child's condition improved.
所有格を取らない場合⇒ After 2 months of therapy, the child's condition improved.

<通貨の英語の例文>
This equipment represents many thousands of dollars' worth of our annual budget.
上記の例文は、修飾される語が名詞の場合が有効になるので形容詞を修飾する場合は適切ではありません。 

例えば「妊娠5か月」とか「2時間遅れ」を英語に翻訳する場合は、アポストロフィを使ってはいけません。

     (誤)           (正)
5 months' pregnant ⇒ 5 months pregnant
2 hours' late ⇒ 2 hours late




LOOPの窓

並列構文とは、文を構成したり要点を強調したりするのに用いられる表現法のことをいいます。たとえば、either/or, neither/nor, not only/but also, both/andなどが用いられる相関接続詞もそのひとつです。間違いではないが避けたほうがよい文章がありますので、論文翻訳をする上で知っておくとよい文法です。これらを用いて文章をつくる場合の注意点をいくつかご紹介しましょう。

  • 相関接続詞
先に述べたように、either/or, neither/nor, not only/but also, both/andを用いる相関接続詞については、誤った配置がされていることが多いので、こらを用いるときは、等位接続詞の一方に現れる対句のすべての要素は、対応するもう一つの要素に匹敵するようにつくらなければなりません。

英語の例文⇒ 相関接続詞の位置に注目してください。
避けたほうが良い表現: Poor drug efficacy may be caused by either lack of absorption or by increased clearance.
正しい表現: Poor drug efficacy may be caused by either lack of absorption or increased clearance.

  • 並列構文あるいは比較の文章
並列構文は、同種類の語の連続を表したり、比較したりするのにも有用です。

英語の例文(1)
避けたほうが良い表現: The text was written for residents, interns, and to help them teach their students.
好ましい表現: The text was written to educate residents and interns and to help them teach their students.

英語の例文(2)
避けたほうが良い表現: When an operation is designed to improve function rather than extirpation of an organ, sugical technique becomes paramount.
好ましい表現: When an operation is designed to improve the function of an organ rather than to extirpate the organ, surgical technique becomes paramount.

同種類の語を連続したり比較対象とする並列構文は、名詞対名詞前置詞句対前置詞句といったようになっていなければなりません。

  • eitherとneitherの用い方
(1) 注意1:3項目以上に使用しない

誤った表現:This medication can be used under either makeup, sunscreens, or moisturizers.
正しい表現: This medication can be used under makeup, sunscreens, or moisturizers.
(このように、3項目の場合はeither orを使用しないようにしましょう)

(2) 最初の否定の記述がnotあるいはnoで表現される場合norは使用しない

Fetuses with congenital diaphragmatic hernia who were stillborn would not have been included in this study or in many previously published studies.

このように、文の最初にnotが使われているので、その後にくる接続詞はnorではなくorを使用します。

(3) 二つの独立節を含む場合はnorを使用する場合がある

Fetuses with congenital diaphragmatic hernia who were stillborn would not have been included in this study,  nor would they have been included in many previously published studies.

このような場合は、norの後にくる二つ目の独立節の主格と動詞を倒置することに注意してください。

 

日本では文法についてきちんと学びますが、母国語においてさえ修飾語というのは難しい部分でもあります。ここでは翻訳する上で再確認してみましょう。
  • 単語、句(前置詞あるいは接続詞で始まる主語または述語を含まない単語の集まり)、節(重文あるいは複文の中の主語と述語を含む単語の集まり)はすべて修飾語。但し節あるいは句は形容詞か副詞の役割をすることもある。
  • 形容詞は名詞・代名詞を修飾する
  • 副詞は動詞、形容詞、その他の副詞、節を修飾する
修飾語をつける場所には注意を
何が修飾されているのかを明確にするためには、修飾したい単語の近い箇所および適切なところに修飾語句を配置することが大切です。そうすることによって、科学系論文や技術文書など正確な表現を求められるような文章に対して非論理的であいまいな配置を避けることができます。

<英語の例文>
不明確な表現 Dr. Yamada treated the patients using antidepressants.
[論文でこのような文章を使うと、誰がantidepressantsを使ったのか不明確になり意味が二つにとれます。]

望ましい表現 Dr. Yamada treated the patients with antidepressants. あるいは、
                  Dr. Yamada treated the patients who were using antidepressants.
[このように表現すると、Dr.Yamadaがantidepressantsを使ったことが明確になります。]

やっかいな"only"の使い方
onlyを修飾語として使う場合には特有の問題が生じます。基本的にonlyはそれが修飾する語句のすぐ前に置きます。下記の英語の例文を見ていただくとわかりますが、onlyの置く場所によって意味が異なってくることがわかるでしょう。
  • Only medication can ease the pain.
  • Medication can only ease the pain.
  • Medication can ease only the pain.
一番上は、薬を意味するmedicationを強調していますし、2番目の文章は和らげるを意味する動詞のeaseを強調することになります。そして、最後の文章は、痛みを意味するthe painを修飾します。

動詞句(懸垂分詞)
分詞は形容詞として用いられる動詞のひとつの形です。懸垂分詞は何らかの行為者の存在を示しますが、その行為者が誰かあるいは何かを特定はしません。そのため意味が曖昧になりがちですので、表現の仕方に注意しなければなりません。

<分詞を使った英語の例文>
避けたほうがよい表現 Based on my experience, English majors make excellent copy editors.
[確 かにざっと読みますと作者の経験に基づく文章ということはわかりますが、English majorsが作者の経験なのか、はたまたEnglish majorsが優秀なコピーエディターになるということについての意見なのかが若干曖昧です。このような表現は論文には向きません。]

望ましい表現 I have found that English majors make excellent copy editors. あるいは、
Experience has shown that English majors make excellent copy editors.
[このような文章にすることによって、作者がEnglish majorsについての見解ということがわかります。]

次に動名詞の例文をみてみましょう。動名詞は名詞として用いられる動詞の一形態です。懸垂分詞のように、懸垂動詞はある行為者を暗示しますが、その行為者が誰かあるいは何かを特定しません。

<動名詞を使った場合の英語の例文>
避けたほうがよい表現 Dietary therapy slows the return of hypertension after stopping long-term medical therapy.
[この文章ですと、食事療法は高血圧の再発を示すのみならず、投薬の延長も止めるといっていることになってしまいます]

望ましい表現 Dietary therapy slows the return of hypertension after cessation of long-term medial therapy. あるいは、
After cessation of long-term medical therapy, dietary therapy slows the return of hypertension.
[このように動名詞を使わないほうが何をすることによってどうなるかという内容の文章が相手に伝わりやすくなります]
今回から、翻訳の上でも非常に重要な部分、文法編が始まります。論文において良い文章を書くには、まず文法を完全に理解することが不可欠となります。段階を追って、英語における好ましい表現や避けたほうが良い表現など例などもあげていきましょう。

文章作りの基本
科学文書や技術文書では主語や動詞を省略する断片的な文は用いるべきではないとされています。
  • 一つの文には一つの主語と一つの動詞が最低限あること
  • 通常文章には修飾語を含む
段落
段落は、ある考えあるいはいくつかの関連した内容をまとめたもので、結合力のある文章の集まりであることはいうまでもありません。各段落が単独で成り立つ長さがあり、かつ読者の注意をひきつけるために短めにつくることも大切です。

句読点
句読点は簡単なようで実は結構難しい要素でもあります。句読点をつける場所によっては、読者に違った印象を与えるからです。日本語にしても英語にしても一度はきちんと学ぶ必要があるでしょう。句読法については、文法編の後詳しくご紹介します。




電子形態の参考文献の文書はかなり増え、ガイドラインも日々修正変更されています。ソフトウエア、オンライン雑誌、CD-ROM、データベース、インターネットのウェブサイト、電子メールなど多種多様です。

今回、論文の参考文献にこれらの電子データやメディアの文章を引用した場合の一般的な記載方法の例をご紹介します。

ソフトウエア
論文の中で、プログラムが言及されただけで論文(報告書)の主題ではないときは特に参考文献リストに加える必要はないとされています。その場合、本文中にカッコ書きでソフトウエアの製造メーカーと所在地を記載します。

ソフトウエアマニュアル
引用がソフトウエアそのものではなくソフトウエアのマニュアルやガイドの場合は参考文献リストに加えます。その場合は書籍を引用する場合と同様に記載します。書籍の引用については、別の記事でご紹介していますのでそちらを参考にしてください。

オンライン雑誌
オンライン雑誌の場合は、巻数やページ数がないものもあります。記載の仕方としては、これらの情報があるないで記載方法が変わります。
  1. 巻数、ページ数がない雑誌: 発行日の次に文書番号を記載する
    例: 著者名. 記事のタイトル. Online オンラインの雑誌名(イタリック体). 発行日(January x, 200X);文書番号(doc 1).
  2. 巻数、ページ数がある雑誌
    通常の雑誌と同様の書式で記載する。(詳しくは、別の記事でご紹介した雑誌を参考文献にする場合を参考にしてだくさい)
CD-ROM
英語例 The XXX Dicktionary: Reference Tool for Windows [book on CD-ROM]. Cambridge, Mass:YYY International Inc; 2008. Based on: XXX Dictionary of the English Language, Third Edition. Boston, Mass: ZZZ Co; 2005.

データベース
英語例 CANSERNET-PDQ[database online]. YYY Md: National Cancer Institute, 2007. Updated October 1, 2007.

ウェブサイト 
サイトの名前とサイトアドレス、そしていつアクセスしたかを記載します。
英語例  FDA/CFSAN resources page. Food and Drug Administration Web site. Available at: http://www.xxxx.gov/yyy/zzz.html. Acessed October 5, 2008.

電子メール(E-mail)
電子メールを参考文献にする場合は、文献リストに記載するのではなく本文中にカッコ書きでして列挙します。
1.電子メールを送った人の名前
2.送信者の電子メールアドレス
3.電子メールの送信日
英文例: Unlike e-mail addresses, URLs[uniform resource locators] may be case sensitive (電子メール送信者の名前[Eメールアドレス], e-mail, August 5, 2008).





 



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