英語論文における句読符号(丸カッコ)

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「論文翻訳のチェックポイント」コーナーの記事、前回のスラッシュに続いて、今回は丸カッコ "( )" を紹介します。

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論文では図や表、補助的な文章を補うため丸カッコ"(xxx)"がたびたび使われます。カッコは、読者に論文の文書内において特別な気づきをさせるための役割を担っています。また、カッコを使った文章の場合、句読点をカッコ内につけるのかカッコの外につけるのかといった注意点もありますので、それぞれのケースについてご紹介しましょう。


補足的な表現

カッコは前述したように補足的な表現、識別、読者への指示、あるいは翻訳を示すために用いられます。以下の例文は基本的によく使われるものです。

  • Asymmetry off the upper part of the rib cage (patient 5) and pseudoarthrosis of the first and second ribs (patient 8) were incidental anormalies (Table 3).
  • In this issue of THE JOURNAL (p 999), a successful transplant is reported.
  • A known volume of fluid (100 mL) was injected.

但し、カッコを用いた場合が良い場合とコンマを使ったほうが良い場合があります。


コンマのほうが良い場合
: The hemoglobin leve, although in the normal range, was lower than expected. といったようにカッコ書きの資料とその後に続く文との間に深い関係がある場合はコンマのほうが良いとされています。


カッコのほうが良い場合
: namely(viz), that is(ie), for exampl(eg) という表現の後にくる思考の関係が付随的なものである場合はカッコを使います。例文としては以下の通りです。
He weighted the advice of several committee members (namely, Suzuki, Yamada, and Tanaka) before making his proposal.


カッコを使ったときの句読点

基本的に列挙の場合を除いて、始めのカッコの前には句読点を用いません。どの句読点も終わりのカッコの後ろにつけますが、カッコの内容が文に割り込む場合はちょっと注意が必要です。

例えば、カッコの内容が文に割り込む場合は、ピリオド(.)、疑問符(?)、感嘆符(!)はカッコの前に置くことが多いのですが、これも文章の作り方によって多少異なります。以下の例文は似たような内容ですが、文章の作り方によってカッコの句読点が異なります。

  • The discussion on informed consent lasted 2 hours. (A final draft has yet to be written.) The discussion failed to resolved the question.
  • The discussion on informed consent lasted 2 hours (a final draft has yet to be written) and did not resolve the question.
  • After what seemed ann eternity (It took 2 hours!), the discussion on informed consent ended.

また、カッコの中にいくつかの文を含む場合は、最後の句読点は後ろのカッコの前に置きます。

  • Oscar Wilde once said (When? Where? Who knows? But I reead it in a book once upon a time, hence it must be true.) that "anyone who has never written a book is very learned." 


識別のための数字/文字

数字や文字によって識別される項目が、論文の中で後で記述されるときはその文字や数字はカッコに入れます。

  • You then follow (3), (6), and (7) to solve the puzzle.

但し、カテゴリー名が代わりに用いられるときは、"Steps 1, 2, and 3 must be done slowly."といったようにカッコを用いる必要はありません。

また、文章の中で短い列挙をする場合は数字や文字はカッコで閉じます。

  • The patient is to bring (1) all pill bottles, (2) past medical records, and (3) our questionnaire to the first office visit.


参考文献

本文に出てくる参考文献についてはカッコ内に記載します。

  • The case was originally reported in the Archives of Surgery (1974;157:256-258).

図の説明文

図の説明文などで症例や患者の合成図の部分部分を識別するのに用いることができます。日付などもカッコの中に入れます。

  • Figure 6. Facial paralysis on the right side (patient 3, March 14, 2005).

顕微鏡写真

関係のある倍率や染色法もカッコに入れます。

  • Figure 3. Marrow aspiration 14 weeks after transplantation (Wright stain, original magnification X 600).

商品名

論文著者が薬剤あるいは機器に商品名を書くときは、本文および抄録において一般名および初めて使ったすぐ後で商品名をカッコ書きにします。

  • Treatment included oral administration of indomethacin (Indocin), 25 mg 3 times a day. 


略語

論文本文で5回以上用いられるときは、まず正式名称で記述した後すぐに省略形をカッコ書きにします。


注釈脚注

カッコの中の文は一つのまとまった見解ですが、本文に対しては単なる挿入的なものなので、最後の句読点は終わりのカッコの前につけます。

また、カッコの中でさらにカッコ内の表現をしたい場合は、中のカッコは角カッコにします。
(xxxxx [bbbb] xxxx.)


複数形

単数あるいは複数を示すとき、複数の可能性を表現するのに、"s"あるいは"es"とともにカッコを使います。この表現を使う場合は、動詞は単数形を使うことに注意しなければなりません。

  • The name(s) of the editor(s) of the book in rerference 2 is unknown.

 

 

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このブログ記事について

このページは、Ted Matsuuraが2009年3月16日 20:16に書いたブログ記事です。

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