英文契約書翻訳の注意点 -当事者間の力関係【例2】-

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前回(9月12日の記事)、販売店契約の例文を取り上げましたが、その内容でもう一つ例を紹介します。

Purchase of Products

(E) Shipment of Orders     BBB will use its best efforts to ship  all orders for Products received from AAA; provided, however, that BBB shall not be liable for any damages, consequential or otherwise, for its failure to fill and deliver AAA's orders for reasons specified in paragraph XX hereof.

日本語訳への翻訳文

E. 注文品の発送  BBBはAAAから受け取った本製品の注文をすべて発送することに最善の努力を払うものとする。ただし、BBBは本契約書第XX条に特定する事由によりAAAの注文に応じ発送しないことを理由として、結果的損害賠償その他の責めを一切負わないものとする。


用語の説明

★"shipment"
必ずしも「船積」を意味するわけではありません。本文のように「発送」あるいは「出荷」という意味で使われることも少なからずあります。

★"will"
(以下は前回の"shall" で説明した内容と同一。復習もかねて再度掲載します)
"will" は"shall" より響きがやわらかく、優位に立つ当事者の義務を示すためによく使われます。法的には、"shall" 同様義務を表します。但し、契約内容によっては「最善の努力をする」といった意味での義務を表していることもあり、そういった場合、義務違反を立証するのは難しいと思われます。

★"shall not"
「~してはならない」ですから、"shall not be liable" は直訳調で言い表せば「責めを負うものとされてはならない」の意味です。これも優位に立つ当事者が使いたがる用法です。

★"consequential"
この単語は直前の"damages"に係っていて、「結果的損害賠償」を意味しています。「結果的損害賠償」とは、普通法(コモンロー)上、契約違反の結果生じたすべての損害(逸失利益を含む)を賠償することです。

★"failure"
「失敗」ではなく、単に「ある行為を行わなかったこと」を意味します。名詞的には、「不履行」と言い表すこともできます。

★"paragraph"
本文では「条」としていますが、通常は「項」の意味に使います。その際、"article", "section", "clause" などが「条」として使われます。また、"section" はその上階層の「節」、「章」ともなります。

★"hereof"
="of this agreement" の意味です。

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このページは、Ted Matsuuraが2008年9月14日 12:21に書いたブログ記事です。

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