世界のチェス事情をいち早く配信している "CHESSBASE NEWS" で、本日私にとって嬉しい記事がアップされました。同サイトのコラムニストによる【For the beginners】という記事です。


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同サイトのようにチェスに関する世界中のあらゆる最新情報を配信しているところで、チェスの初心者に焦点を当てた記事はなかなかお目にかかれません。


この"For the beginners" 記事のなかでコラムニストはビギナーに向けていくつかアドバイスを発しているので紹介します。


先ずは
◆「ゆったり構えよう。」("Just relax.")

一夜にしてグランドマスターになれる人などいるわけがないが、インターネット上の掲示板などで「より優れたチェスプレーヤーになるための最速の道は?」あるいは「マスター/グランドマスターになるための最速の道は?」といった投稿を頻繁に目にする。そんなトントン拍子に事は運ばないものである。
あの最強の天才プレーヤーと謳われたBobby Fischerでさえ、ある一定の称号を得るまでに数年を要し、その後世界チャンピオンになるまで更に数年かかっている。
だから、こう考えてみてはどうだろうか。今日チェスに関して何か新しいことを学んだのなら、自分は昨日より優れたプレーヤーになったということであり、それを毎日繰り返していけば自分でも気付かないうちにごく自然に腕を上げていることになると。


◆ビギナーが初めに学ぶべきことは2つ。
①エンドゲーム(endgame)
②各ピースの相互作用、およびそれらピースが一つのシステムとしてどう機能するか。
(例:各ピースが影響を与えるマスの範囲、センターに駒を配置する重要性の意味など)

①について、よくビギナーは「でも、エンドゲームを学んだところで、実際の対局ではエンドゲームにたどり着く前に負けてしまう」 と口にするが、エンドゲームを学ぶことによってチェックのパターン(mating patterns)を習得できるようになる。言い換えれば、自分がチェックを指される状況を回避できたり、エンドゲームまで持ちこたえられるようになればそこから勝ちを収められるようになるということである。
②を正確に習得するには、盤上の駒数が少ないエンドゲームが最も適している。


◆ビギナーがチェスを学ぶには年代の古い対局が適している。〈古ければ古いほど好ましい)

その理由は、年代の古い対局は比較的単純明快でビギナーにとって理解しやすいから。チェスの知識や理解自体は、昔から今にかけてさほど進歩していないので、例えばPaul Morphy(ポール・モーフィ:1837-1884, 米国人)やAdolf Anderssen(アドルフ・アンデルセン:1818-1879, ドイツ人)の対局を学んでみることを勧める。現在の世界トッププレーヤーである Anand(現世界チャンピオン)やKramnikの対局に比べ、ずっと理解しやすく勉強になる。ビギナーがチェス(対局)の原則(Fundamentals)を学ぶという意味では、最新の定石を学ぶよりそうした1800年代に残された対局が一番役に立つ。

 

◆どんどん対局をしてみよう。そして、アドバイスを乞うことに躊躇しない。

実戦に勝る勉強はない。強い対戦相手から叩きのめされることもあるだろうが、対局後互いに考察する時間がある時は躊躇せずにアドバイスを乞おう。実戦から得られた教訓こそ、実力アップの鍵となる。

 

 このCHESSBASE NEWSの"For the beginners" コラムは今後しばらく続くようです。

Keep watching !


 

 

前回の記事に続き、松戸チェスクラブ主催チェスセミナー(5月31日 日曜 開催)をとりあげます。本記事では同セミナー第1部のGM Alexander Baburin氏によるセミナーが主な内容です。
(前回の記事にもあったとおり、私は茨城県笠間市から足を伸ばし参加しました) 

 

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(5月31日 松戸でのチェスセミナーの模様:左がGM Alexander Baburin氏、右が元全日本チャンピオン FM 渡辺氏。渡辺氏は通訳を担当。)

 

1)Alexander Baburin氏によるレクチャー

先ず、Alexander Baburin氏(以下、GM:グランドマスター)自身の過去の対局2ゲームが紹介され、対局においては戦術を立てて展開していくことの重要性が一貫して述べられました。

2対局紹介の後は、質疑応答やエンディング(対局の終盤)についてのレクチャー(いくつかのエンディング局面を提示し、セミナー参加者に次の打ち手を問いかける形式)で進行されました。


以下、GMレクチャーでのポイントを私なりにまとめてみました。


★「強いチェスプレーヤー」は2つに分けられる。

①強い展開でチェックメイトを狙っていくタイプ
②終盤にかけてテクニックを駆使し勝利を収めるタイプ

GMは自身のプレースタイルを後者に当てはまるとし、具体的にはAnatoly Karpov(アナトリー・カルポフ:ロシア人、第12代世界チャンピオン)のスタイルに近いと自らを評しています。

【参考:Anatoly Karpov 語録】(レクチャーとは無関係)*********************************************
「ゲームの進め方には2種類あるとしよう。ひとつは、美しい戦術的な一突きで変化をつけ、正確な読みを阻止するやり方。もうひとつは、陣形の変化で圧力をかけるやり方だ。私は躊躇なく後者を選ぶ。」
('Let us say that a game may be continued in two ways: one of them is a beautiful tactical blow that gives rise to variations that don't yield to precise calculations ; the other is clear positional pressure that leads to an endgame with microscopic chances of victory. I would choose the latter without thinking twice.')
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★エンドゲームの学習はチェス全体の理解につながる。

過去最も優れたチェスプレーヤーに一人として、Jose Capablanca(ホセ・カパブランカ:キューバ人、第3代世界チャンピオン)が挙げられる。カパブランカの本はエンドゲームから始まっていることからも、エンドゲームを学ぶことは非常に重要であることがわかる。若いプレーヤーは、とかくオープニング(対局の序盤)から学ぶ傾向にある(その方がエキサイティングだし面白みがある)が、エンドゲームの展開を習得することはチェス全体の理解につながるということを知ってほしい。(GMはこの点を強調していました)

【参考:Jose Capablanca語録】(レクチャーとは無関係)********************************************
「私は常に慎重にプレーし、余計なリスクを避けるよう心がける。私のやり方は、チェスの本質に反した不必要かつ"大胆な"いかなる方法よりも正しいと思う。チェスはギャンブルではなく、厳格な論理の規則に沿って行われる純粋に知的な戦いだ。」
('I always play carefully and try to avoid unnecessary risks. I consider my method to be right as any superfluous 'daring' runs counter to the essential character of chess, which is not a gamble but a purely intellectual combat conducted in accordance with the exact rules of logic.')
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またGMはMikhail Botvinnik(ミハイル・ボトヴィニク:ロシア人、第6代世界チャンピオン)の言葉も紹介し、エンドゲームの重要性を説いていました。その言葉とは、終盤での局面をいかに多く知るかが強いプレーヤーになる秘訣だということです。GMいわく、Mikhail Botvinnikはエンドゲームの局面を1万パターン程知っていたということです。


★戦術(プラン)の立て方

対局においては、1局を通して戦術(GMは"plan"という言葉を使用していました)を立てることなどあり得ず、局面によってその都度、別の戦術を論理的展開により練っていく。


この点については私の主観として、先述のエンディングの学習によっても培われる要素だと思いました。つまり、エンドゲームの展開を習得することはチェス全体の理解につながる、ということに関係しているということです。


★古典的(伝統的)チェスを学ぶことも大切

最近の若いプレーヤーはチェスがここ20年くらいの間に発展してきたと思っている者がいる。そうしたプレーヤーはとかくGarry Kasparov(ガルリ・カスパロフ:1985年に史上最年少の22歳で世界チャンピオンとなり、15年間にわたり世界チャンピオンのタイトルを保持した史上最強と謳われるロシアのチェスプレーヤー)の対局集ばかり学んでいることがあるが、それは間違いである。チェスの長い歴史に名を残してきた先人達のチェスを学ぶことも大切である。


CHESS SET WITH A BOOK.jpg
★チェス上達のためのお勧め方法

・本を読むのも大切だが、自分の対局や自分で実際に考えた打ち手を分析してみるのが一番身になる。

・ある局面(自分が選んだ過去の名局でも何でもよい)において自分が考える戦術(プラン)を紙に書き出していき、それを盤上で実際の対局内容と比較してみる。
(どんなにひどい戦術であったとしても、無いよりはずっとマシ)

・チェスの本を読む時、ボード上に駒を並べることはせずに、頭の中だけで理解するようにしてみるとよい。数手先まで読めるようにするための訓練となる。 

・毎日エンディングの問題をいくつか解いてみる。
(FM 渡辺氏の話:初めて全日本チャンピオンになった時、学生として修士課程に身を置いていたが、当時通いの電車の中で毎日2時間くらいエンディングの問題を解いていた。それが実力アップにつながったのは間違いない。)


以上がGM Alexander Baburin氏によるチェスレクチャーを私なりにかいつまんでまとめたものです。

 

【番外編】

レクチャーの最後に私からGMへ質問をしました。私はまだテクニック的なことはあまりわからないので、一般的なことを。ビギナーだからといって恥ずかしがらずに手を挙げました!


Q1:
現在、世界トップに挙げられるプレーヤーは?

A1:Match game(1対1の対局)であればViswanathan Anand(インド人、現世界チャンピオン)、Tournament game(複数のトッププレーヤー達による総当たり戦)であればVeselin Topalov(ブルガリア人、来年春に予定されている世界チャンピオンシップ戦で現チャンピオンのViswanathan Anandと対戦が決まっている)だろう。


Q2:現在の世界トッププレーヤーのなかで、ビギナーにとって良い見本となる(見習うべき点があるという意味も込めて)プレーヤーはいるか?
(これはある意味馬鹿げた、乱暴な質問だと思いましたが思い切って投げかけてみました)

A2:それは自分がどんなプレースタイルを好むのかによる。自分が攻撃的なプレーをしたいのであれば、例えばAlexei Shirov(先月開催された M-Tel Masters で優勝したばかり)を追ってみるのもいいし、サクリファイスを利用して優位な展開を得ようとするようなプレースタイルなら、例えばVladimir Kramnikが良い見本となるだろう。

 

ビギナーとはいえ、日々世界のチェス情報を追っている私にとっては "Chess Today"(Eメール配信型のデイリー チェス新聞)の編集長も務めるAlexander Baburin氏に直接質問できたのは幸運です。

ちなみに今回の来日を記念してか、Alexander Baburin氏の好意により、最近発行されたChess Todayが日本チェス協会のHPから無料閲覧可能となっています。同リンクページの最下部右端にある「LINK」コーナーからダウンロード可能です。先月末に作成されたもので、同氏が日本滞在中に感じたことなどが記事となっています。日本人プレーヤーの弱点にも触れられており、興味深い内容となっています。

 

次回は2)Alexander Baburin氏との同時対局 に触れたいと思います。

 

 

先週日曜日(5月31日)に千葉県松戸市で松戸チェスクラブ主催のチェスセミナーが開催されました。セミナー講師は、ロシア人GM(グランドマスター)のAlexander Baburin氏です。(本ブログの5月22日の記事でも紹介しました)



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私は茨城県の笠間市在住ですが、足を伸ばしてこのイベントに参加してきました。チェスプレーヤーとしてはビギナーの私ですが、何と!GMとの同時対局にまでエントリーしてしまいました。
チェスセミナーへの参加を考え始めた当初は、セミナーのみ参加(参加費無料)し、同時対局は見学するだけに留めておくつもりでした。その理由は、チェスと出会ってから1年そこそこ、しかもろくに対局をしたことのない私のような者がGMとの同時対局など失礼あるいは身の程知らずでは・・と思っていたからです。


ところが、
松戸チェスクラブ代表の方から以下のコメントをいただいたことから、その言葉に背中を押されるがの如く思い切って同時対局への参加を決意しました。
(松戸チェスクラブ代表の方、以下のとおり、いただいたコメントをそのまま掲載させていただきます。チェス グランドマスターの来日がどれだけ凄い出来事なのかということを、本ブログを見ている人にも紹介できる機会としてご理解願います)

 
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せっかくですから、一生の記念だと思って参加を考えられたらいかがですか。
日本国内では、GMの同時対局は5-10年に一度の大イベントなので、参加できる人はかなり幸運です。
相手はプロですから、初心者の相手は慣れています。
というよりも、むしろそれが仕事ですから、初心者だからといって臆することはありません。
初心者にとっては、GMと試合できるチャンスは他にありません。
GMの技を見せてもらって、潔く玉砕するのも一興です。
ひとりでも多くの方が同時対局という貴重な体験をされることを願っておりますので、是非参加をご検討ください。」
*********************************************************************** 
 
いかがでしょうか。とても興味深いお言葉です。私のように、まだヘボな対局しかできない者でも「一生の記念」に値する機会を逃す手はないと思わせてくれる文面です。GMとの対局(=私にとって人生初のチェス対局:何という身の程知らず!!)を終えた今、思い切って参加して本当によかったと思っています。チェスの対局としては、みっともないさんざんな内容でしたが、GM Alexander Baburin氏のサインをもらった人生初の自分の棋譜は、私のこれからのチェスライフにおいて貴重な産物となるのは間違いなさそうです。
 

 
PIECES & CLOCK ON THE TABLE.jpg
 
私のGMとの同時対局については後日改めて紹介するかもしれません。公表するにはあまりにもひどい内容なので、現時点では本ブログで紹介するのをいまだ躊躇していますが、私の妻からは「人生初の対局がグランドマスターとの一戦なんて面白いじゃない!ありきたりの対局を載せるよりずっと楽しんでもらえるんじゃない?」と言われているところです。(それも一理ありか・・)
 


前置きが長くなりましたが、肝心のセミナー内容に話を戻します。


チェスセミナーは

1)Alexander Baburin氏によるレクチャー
2)Alexander Baburin氏との同時対局

で構成され、セミナー終了後は歓迎交流会も開かれました。同セミナーにはIM(インターナショナルマスター)であるSam Collins氏(アイルランド人)、および元全日本チャンピオンでFM(FIDEマスター)の渡辺氏が同行。これらGM、IM、FMの3名は友人の間柄です。渡辺氏はAlexander Baburin氏によるレクチャーでの通訳を担いました。(IMのSam Collins氏は聴講者の一人として参加)
(余談:私は自分が経営する会社の事業の一つに通訳があるので、渡辺氏がどんな通訳をしてくれるのか事前に気になっていましたが、さすが元全日本チャンピオンの実力者だけあって講師であるAlexander Baburin氏の発言を忠実かつわかりやすく訳していました。「言葉」に少々うるさい私でも満足できるレベルでした。)

 

次の記事では、1)Alexander Baburin氏によるレクチャー についてポイントをまとめたものを紹介します。乞うご期待!!!


 

 

昨日午後6時~9時に開かれたAlexander Baburin氏によるチェス レクチャーのレポートが浜松チェスサークルのHPに掲載されています。(昨夜のうちに「例会報告」のページを更新されたようで同サークルの代表に拍手)


昨夜の浜松でのGMレクチャーについての詳細やレクチャーの模様(画像)をご覧になりたい方は以下のリンクをご利用ください。

レポート:GMバブーリン氏のチェスレクチャー
画像:レクチャー&同時対局の模様

 


さて、1週間後に迫っている次のGMチェスレクチャー(in 松戸)ですが、企画担当の方が昨日の浜松での内容を参考にして、より充実した会を目指してくれることに期待します!


5/31(日)の会では、以下の画像の風景とまではいかなくとも、老若男女問わず熱心なチェス愛好家たちが集えば面白いですね。
《我が国ニッポンでも、いつかこういった英才教育(?)の場が育まれていくでしょうか・・》

 

chess in schools in chisinau 1984.jpg


そういえば、昨日、チェスに関するブログの「ケレス・チェス・クラブ」に世界を見据えた闘志満々の若者が投稿していました。それに対するブログ運営者の回答もなかなか読み応えのある内容となっています。(投稿者およびブログ運営者の投稿が見れるページはこちら) チェスのプロを目指すうえで考慮せねばならない現実的問題にも話が及んでおり、その他にも目を引く内容が結構あります。

(このケレス・チェス・クラブの運営者、一体何者?と思わせるような凄みを感じるのは私だけでしょうか)

ついでながら、同ブログの5月5日の記事で、この私のブログ「LOOPの窓」の『チェスは素晴らしい世界語』コーナーが紹介されています。(ありがたい)

 

 

チェスファンの皆様、すでの御存じの方は多いと思いますが、今チェスのGM(グランドマスター)が来日しています。(日本滞在は、5/20 ~ 6/1 の予定)


Alexander Baburin (Irish).jpg2008年のアイルランド チャンピオンであり、「Chess Today」(Eメール配信によるチェス新聞)の編集長である Alexander Baburin氏 (ロシア生まれ、現在アイルランドの首都ダブリンに在住) その人です。(右画像の人物→ )

そのAlexander Baburin氏によるチェス セミナーが来る5月31日(日)に千葉県松戸市で開かれます。これは「松戸チェスクラブ」の主催で2時間程度のレクチャーと同時対局の構成で予定されています。

同セミナーの参加資格は「チェス愛好家」ということで特に制限はなく、比較的敷居が低そうです。加えて、上記レクチャーのみの参加であれば無料というなんとも粋な配慮です。(同時対局参加を望めば、参加費2000円となっています)
                                            

5/31当日のスケジュールは以下のとおりとなっています。

   13:00 開場
   13:30~15:30 レクチャー(途中10分程度休憩)
   15:30~16:00 記念写真、会場セッティング
   16:00~19:00 同時対局
(終了後には、歓迎交流会も予定されているようです)

 

ちなみに、今日午後6時から「浜松チェスサークル」主催でも同氏によるチェス レクチャーが開かれたようですが、事前のお知らせでは一人5000円の参加費となっていました。しかも、時間は18時~21時の3時間だけ。調べたところ、浜松の方でのレクチャーの段取りとしては以下のようになっていたようです。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Alexander Baburin氏の自局解説を2局程行い、オープニングからミドルゲームを経てエンドゲームで勝負が着くまで、どういう考えで指しているのかあるいは指した方が良いのかを伝授。次に、指導対局又は同時対局を行い、最後にチェスの勉強にお勧めの本の紹介等をして終了。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


来週5/31の松戸での開催では、上記内容より時間配分で大分余裕があるようなので、より充実した内容になっていることが期待されます。チェスに興味のある方は是非参加を検討してみてはいかがでしょうか。予定の定員は、同時対局20名、レクチャー30名で、申し込みは5月29日までとなっています。(松戸チェスクラブ:http://www003.upp.so-net.ne.jp/hpmtmd/

まだ時間はあります!

 

(以下、余談です)

チェス戦略大全Ⅰ.jpg

私がこのGMによるチェス セミナーのことを初めて知ったのはゴールデンウィーク明けで、実は「チェス戦略大全Ⅰ」(去年12月に出版され、約3000部数を売り上げている)の翻訳を手掛けた小笠誠一さんと共に同書を出版した評言社の社長を訪ねた時でした。(その経緯はここでは省略)


私も同書を購入した一人ですが、小笠さんご本人から直接執筆にまつわるエピソードなどを耳にできたことは刺激的かつ感動ものでした。私は出版のことについては素人ですが、翻訳については自ら経営する会社の事業として手掛けているくらいなので、その御苦労はわかるつもりです。目下、同書「Ⅱ」の執筆の仕上げを急がねばならないと話す小笠さんですが、チェスへの愛着やその普及精神は筋金入りといってよいでしょう。


かれこれ約30年もの間チェスに親しんでこられた小笠さんとの出会いは、私にとってのチェスの世界を自己満足(芸術・アート・文化・歴史などといった世界観に浸る)だけではない、そこから一歩踏み出した学問の領域へと広げてくれる一つのきっかけを与えられた機会だったかもしれません。

 


Chess Essence.jpg                 この画像にある文章、今の私にピッタリ!?

     "Every Chessmaster was once a beginner."

  

 

「論文翻訳のチェックポイント(医学編)」コーナー、久しぶりの記事更新です。

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英語論文にはさまざまな固有名詞が登場します。往々にしてそれらの頭文字は大文字で表記されていますが、普段何気なく目にする固有名詞の大文字表記について科学論文という見地から紹介してみようと思います。

先ずは固有名詞をいくつかのジャンルに分け説明致します。本記事では「地名」と「社会文化的名称」を取り上げます。

◆地名

都市、郡(区)、州、国、大陸、島、半島、海峡、水系(池・湖・海など)、山脈、通り、公園、森、峡谷、ダム、特定地域、地域などの公認名称および行政区の地名などの各頭文字は大文字にします。

〈例〉
the British Isles,   the Antarctic,   the Black Forest,   the Bay Area,   Central America,   the China Sea,   Cook Country,   Fifth Precinct,   Fisherman's Wharf,   the 43rd Ward Office,   the Great Lakes,   Green Mountains,   Gulf of Mexico,   the High Plains,   Hoover Dam,   Hudson bay,   the Iron Curtain,   Isle of Wight,   Kettle Moraine,   Kuril Islands,   Lake Erie,   the Loop[Chicago],   Mexico City(但し、Quebec city という例もあり),   Mississippi River,   New Trier Township,   New York City,   New York State(the state of New York とも表現される),   North Pole,   Pacific Ocean,   Province of Nova Scotia,   Rocky Mountain National Park,   Straits of Gibraltar,   Third World,   Tiananmen Square,   the 23rd Congressional District,   United Kingdom,   Upstate New York,   the West Coast


普通名詞は、固有名詞またはタイトルの一部として単数形では大文字表記されますが、複数形になると通常大文字では表記しません。

〈例〉
Mississippi and Missouri rivers,   Atlantic and Pacific oceans


地域の公認名称および地理名称の一部として用いられる場合は大文字表記にしますが、一般的な方角や位置を示す場合には正式名称の東西南北の方位は大文字にしません。

〈例〉
・He practices medicine in the Far East, in central China. His home is  east of Chongqing (Chungking) but not as far east as Wuhan.
・She is a westerner. She lives in the West, 15 miles west of Salt Lake City, Utah.
・Go due north, then northwest.

North Carolina,   Eastern influence,   North Korea
(但し、southern France,   northern Illinois,   south Florida,   northern California という例もあり)


東西南北の方位に由来する名詞および形容詞については大文字表記にすべきではありません。

〈例〉
midwesterner,   southern-style cooking

 

◆社会文化的名称

言語、国民、民族、政党、宗教および宗派と分派などの名称は大文字表記にします。これらの名称に続く一般名称、政治原則は大文字表記にしません。民族名称として white あるいは black を使用する場合も大文字表記にしません。

また、文化的多様性についての認識が高まってきている現代においては、さまざまな文化的集団について言及する際に用いられる用語に関して、それらに対する好みや受け止められ方が変化していっていることを感じとることが重要になります。過去数年間の時代や物事の受け止め方の変化につれて、例えば Black, Aflo-American, African American という語が文学に入ってきて支持されるように変わってきたことがあります。

〈例〉
the English language,   Southeast Asian community,   of Spanish ancestry,   Hispanic population,   Native American, Sanskrit,   Europeans,   the Jewish people,   a Baptist church(First Baptist Church とも表現される),   African American,   French people,   Chirichahua Apache,   Protestant

最後に使い分けをわかりやすくした文章の例を紹介します。
・Although he has been a member of the Republican party for years, at one time he was a Democrat. He nonetheless has always endorsed the principles of democracy in our republican form of government. He is democratic in his attitudes toward social equality.

 

次回は、事件、授賞、法律などの固有名詞を取り上げます。

 

 

直近の記事で紹介しましたインドネシアのチェス少年に関するテレビ番組「アジアンスマイル」が本日再放送されます。見逃した方は是非ご覧ください。(BS1で午後11時40分~)


本番組の主人公であるファリ・フィルマンシャ(Farid Firmansyah:以下、ファリ)君ですが、先月26日からギリシャのテッサロニキで開催されたWORLD SCHOOL CHESS CHAMPIONSHIP(世界学生チェス選手権)の17歳以上オープン部門で見事優勝しました(同部門は16人のプレーヤーが参加)!!またこれでファリの存在が一層世界に知れ渡ることになるでしょう。


Farid Firmansyah 1 at World School Chess in Greece_April. 2009.jpg

【WORLD SCHOOL CHESS CHAMPIONSHIP会場での試合前のFarid Firmansyah君(先月)】

 

以下のチャートは、ファリに関する近年のレーティング向上の度合を示したものです。(FIDE【フィデ】:国際チェス連盟のHPから抜粋)

 

Rating Progess Chart

Farid, Firman Syah (INA) 
rating progress chart of Farid, Firman Syah

 

ファリの現在のFIDE称号は「CM:Candidate Master(準マスター)」。CMは、GM(グランドマスター)、IM(インターナショナルマスター)に次ぐFM(FIDEマスター)のさらに下の称号です。

ファリにとってチェス界の世界最高峰に位置する称号『GM(グランドマスター)』への道のりはまだまだ続きますが、今後の更なる活躍が非常に楽しみです。


チェス学校 in Indonesia.jpgちなみにこの(⇒)画像は先日の記事で紹介したファリが所属するインドネシアのチェス専門学校です。
(同校の校長がインドネシアの最強プレーヤーであるGMのウトゥト・アディアント氏であることは先日の記事で紹介済みです)

 

 

 

ファリは今後もこの学校で腕を磨く一方、インドネシア政府からの資金援助も受けながらより高いレベルを目指して日々チェスに没頭していくことでしょう。 

In Istanbul.jpg 

Farid Firmansyah & his family.jpg

 

 

ファリにとってチェスの原点は、父親が営む屋台での客との対局です。家族のためにもファリの挑戦はこれからも続きます。ファリがグランドマスターになる日は遠い未来の話ではないと思います。


今後も彼の活躍を追ってみたくなりました。

 

  

 

昨日の記事に続いて、BS1放送番組「アジアンスマイル」に登場したインドネシアのチェス少年ファリ・フィルマンシャ君(以下、ファリ)をとりあげます。


インドネシアのチェス王子_090425_1.jpg
父親が営む屋台のタバコ屋を手伝う一方、屋台の一角で客との対局を重ねながら日々チェスの腕を磨いてきたファリ。


やがて、屋台のそばにあるチェスの専門学校「ウトゥト・アディアント チェス学校」に特待生として迎え入れられ、入学以来数々のチェス大会で優勝してきたファリですが、今15歳という年齢で新たな課題に直面しています。

 

インドネシアのチェス王子_090425_2.jpg15歳とは、チェスの世界においてジュニアから成年の部へと変わる境目の年齢です。これまでは屋台で学んだ型破りの戦法で勝ち続けてきたファリですが、これから大人を相手にもっと強くなるためには足りないものがあると感じているのです。


ファリは自分の弱点を「我慢できないこと。早く勝ちたくてどんどん攻めてしまう。それで負けてしまうことがある。」と評しています。

 


ある日、ファリは腕試しのためにチェス学校の校長宅を訪れます。その校長はその名が学校名になっているウトゥト・アディアント氏、ファリが憧れるチェスプレーヤーです。

 

Utut Adianto vs Garry Kasprov_2001 batumi.jpgUtut Adianto_Indonesian Grandmaster.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 ↑ ウトゥト・アディアント氏》

 

ウトゥト・アディアント氏は1997年に当時の世界チャンピオンであったロシアのアナトリー・カルポフと対戦し、激闘の末引き分けた実績を持つグランドマスター(Grandmaster:国際チェス連盟が定めたチェス最高の称号)です。インドネシア最強のプレーヤーです。
【放送では、そのアナトリー・カルポフとの対局(Blitz:早指し対局)の模様も登場しました。上右部の画像とは関係ありません。】
ちなみに上右部の画像は、2001年に同氏が別の元世界チャンピオンで先述のアナトリー・カルポフよりもビッグネームなガルリ・カスパロフ(ロシア)と対局した時の模様です。


番組ではその校長とファリの対局の模様も放送されましたが、結果は引き分け。対局後、校長でありグランドマスターでもあるウトゥト・アディアント氏がファリの指し手について感想を述べます。良い点は、戦術にたけていること、コンビネーションもいいしよく計算されていること。一方で弱点は、全体の流れを把握しきれていないことで、そこを強化していかなければならないということでした。


そして最後にファリは校長からシンプルかつ心に響く言葉を贈られます。


「先ずはチェスを愛すること。本当にチェスを愛していれば、後でついてくるものがある。だからチェスへの情熱を絶やしてはいけない。」


ファリは帰宅後、チェス盤に向かいます。ファリは校長の言葉を聞いて自分自身が恥ずかしくなると同時に、自分にはそれが足りかなったと気付かされました。


ファリが一日6時間以上チェスの練習を積む日々は続きます。グランドマスターを目指し今日もファリは屋台で客を相手にチェスを指しています。

 

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The Italian Gambit System - Interior with a chess set.jpg以上が番組内容の紹介です。いかがでしたでしょうか。


チェスと人生が太い糸で結ばれている様を描きながら、一方でインドネシアの人々が思い思いにチェスを楽しむ姿がありと、私には見応え満載でした。録画は保存版間違いなしです。


 

 

 

この日本でチェスの位置づけがインドネシアのようになる日は来るのか?あるいは、そうなるにしてもあと何年かかるのか?これらの疑問については、今の日本におけるチェス普及の状況からして予想すら難しいと言わざるを得ません。しかし、今年になって日本語による本格的なチェスの技術本が出始めてきていることを思えば、決して遠い未来のことではないかもしれません・・・

 

 

 

昨日の記事で触れたBS1放送の「アジアンスマイル」を観ました。20分間と比較的短い時間枠でしたが私にとっては非常に面白い番組でしたので、以下紹介します。


主人公は、インドネシア ブカシ(首都ジャカルタから東へ20kmのところ)で父親が営む屋台のタバコ屋を手伝う15歳の少年、ファリ・フィルマンシャ君(以下、ファリ)。学校の教科書を一度読んだだけでそのページを覚えてしまうという才能の持ち主です。ファリ自身、「チェスは自分の友達・・・というより恋人かな」と話すほどのチェス好きです。1日6時間以上チェスの練習をし、トイレの中でも考えてしまうという程。


インドネシアはアジアでも有数のチェスが盛んな国で、競技人口は300万人以上といわれています。街を歩くと、所々でチェスをしている人たちが目に入り、皆思い思いにチェスを楽しんでいます。インドネシアは戦後オランダから独立します。それまで上流階級のものだったチェスは誰がも手軽に楽しめるゲームになったようです。
 

PINNEY (USA) Wood Chess Set (Chessmen).jpg

 

ファリは街角の小さな屋台で育ち、3年前まではその畳2畳程の狭いスペースで家族4人生活するという貧しい生活を送っていました。2007年の世界学生チェス選手権15歳の部で当時13歳にして優勝をさらいます。その後獲得したメダルは数知れず。その学生チェス選手権での優勝により、大統領からおよそ80万円の報奨金が支給され、そのお金で両親のために一戸建ての家を建てました。当然、一家の生活は大きく変わりました。(大会で得る賞金は、父親が営むタバコ屋の収入の1年分に相当します)今のファリにとってチェスは家族のためでもあります。


ファリにとってチェスは生まれた時からそばにあったもので、それは腕自慢の父親の影響でした。父親が毎日屋台で客とチェスを指していましたが、ファリは父親の膝の上でチェス盤を一日中飽きずに見入っていたといいます。ある日、父親が試しにファリにチェスをやらせてみたところ、いきなりできてしまったそうです。「教えていないのにスゴイと思った。」と父親。はじめは父親を相手にチェスを指していたファリですが、そのうち客とやるようになってどんどん上手くなっていったようです。ファリが9歳になった頃には、父親は滅多に勝てなくなっていたとのこと。


やがて、「タバコ屋の天才少年」の噂は瞬く間に広がり、屋台のそばにあるチェス学校(ウトゥト・アディアント チェス学校)にも伝わります。チェス学校の講師がいち早くその才能を見い出し、ファリを特待生として迎え入れるのです(講師のコメント:「チェスに対する集中力や情熱が他の子供とは違うと思った」)。そのチェスの専門学校では、生徒80人がプロを目指し定石や歴史を学んでいます。


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放送では、その学校でファリが講師と対局するところや、今年ギリシャで開かれる世界学生チェス選手権に向けてファリが特訓をしている様子が映し出されました。講師との対局でファリは見事勝ちを収めます。講師が定石どおりに指すのに対して、ファリは「屋台流(誰も知らない)の戦法」で応戦したのです。学校に入るまでに特別な勉強をしてこなかったファリならではといえます。世界学生チェス選手権に向けての特訓では、2008年の世界学生チェス選手権11歳の部で優勝したインドネシア代表の女の子を相手に、ブラインドチェスの練習を行います。制限時間10分、ファリだけ実際の盤面を見ずに記憶だけを頼りにチェスを指します。(相手の女の子は盤面を見ています)その対局でも見事勝ちを収めます。ブラインドチェスは一部の上級者しかこなせませんが、ファリにとっては朝飯前のように感じられます。


ファリはウトゥト・アディアント チェス学校に入学以来、優秀は成績を収めてきていますが、それはインドネシアの国策が深く関わっています。チェス好きの国民性を反映して、2005年から政府の援助額が大幅に増えました。活躍が期待される選手には、大会の参加費や旅費が援助されるようになったのです。ファリが世界学生チェス選手権優勝で大統領から報奨金を支給されたのもその一環です。


・・・とここまでは、ファリの生い立ちや華やかな面などに触れました。もちろん、番組構成としてはそればかりではありませんが、本記事はここまでとします。(ちょっとここで一息・・)


次回の記事では、ファリの弱点についてや、ファリが憧れるインドネシア最強のプレーヤー(かつて世界チャンピオンと対戦した経験を持つグランドマスター)の自宅を訪れる場面などを紹介します。


 

 

チェスを愛する皆様、明日4月25日(土)夕方のBSドキュメンタリー番組に注目です!

 

Asian Smile.jpg午後6:30~6:50にBS1で放映される「アジアン スマイル」(アジアの若者たちが懸命に生きる姿を描くドキュメンタリー番組)で、2007年にチェスの世界大会で優勝したインドネシアの少年が登場します。


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同放送番組のタイトルは、「屋台で生まれた"チェス王子"」です。

 

 

 

 

 

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以下、NHKのHPに掲載されている番組概要です。

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インドネシア人はチェスが大好きなことをご存知だろうか?街角を歩くと、あちこちの道端でチェスをする人々を目にすることが出来る。ジャカルタ郊外の町、ブカシの幹線道路脇にある、小さな屋台のタバコ屋でも毎日のようにチェスをする人たちが集まる。
今回の主人公はその屋台の息子、ファリ・フィルマンシャ(15)。ファリはこの屋台で育ち、見知らぬ客を相手にチェスを覚えた。そんな少年が2007年、世界の大会で優勝した。彼は今、4月26日に再び行われる世界大会のために、毎日6時間チェスの特訓をしている。屋台のタバコ屋から世界を目指す、15歳の少年の思いとは?

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どうやらインドネシアではチェスが非常に盛んのようです。この番組では、チェスが人々の生活に深く浸透している様子(「チェスを楽しむ=人生を楽しむ」)も紹介されそうです。

-チェスと人生の結びつき- 何を隠そう、私もチェスとの出会いによって物事の価値観が変わってきているように感じています。